症例集
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症例集 case report

フェレットのリンパ腫

症例の概要

リンパ腫はフェレットの腫瘍性疾患の中でも特に多い疾患です。

体表や腹腔内のリンパ節が腫れて大きくなったり、肝臓や脾臓、消化管などの臓器に腫瘍ができたりして様々な症状を呈します。

リンパ腫には様々なタイプがあり、型によって経過や必要な治療が異なります。

経過および検査

6歳のフェレットさんが頸部のリンパ節を大きく腫らせて来院されました。

このリンパ節は2週間ほどで首まわりをほぼ一周するほどの大きな塊になった様子です。

どんどん腫瘍が大きくなった結果、皮膚に潰瘍ができたり、呼吸や食事がうまくできなくなったりする可能性がありました。

細胞診(腫瘍などに針を刺して行う細胞の検査)を行った結果、悪性度の高いB細胞型リンパ腫と診断されました。

治療

化学療法(抗癌剤治療)を行うかどうかを飼い主さまとじっくり相談した結果、

積極的な化学療法は行わず、ほとんど副反応の出ない薬(ステロイドと一部の抗がん剤)のみをチョイスして、

緩和的な化学療法を行うことに決めました。

幸いにも、ステロイドの投薬を始めてから3日ほどで当初の2/3くらいまで小さくなりました。

さらに、あまり副作用のない抗癌剤を追加で投与して、2週間後には見た目上腫瘍は消失したように見えるまでになりました。

心配していた副反応は全くなしで、元気に過ごしています。

獣医師のコメント

フェレットにも、犬や猫のように化学療法(抗がん剤治療)が適用できます。

血管が細いので少々難しい手技ではありますが、当院でもフェレットの抗癌剤治療が可能です。

今回はご家族と話し合った結果、この子の治療の目的は「寛解(腫瘍が検査場検出できなくなる状態)」ではなく

「腫瘍があっても、快適に生活できる状態で過ごすこと」となりました。

この子の場合は緩和的化学療法が現在のところ奏功していて、高いQOL(生活の質)が維持できています。

どんな病気もそうですが、特に腫瘍に関しては、年齢や体調、性格、ご家族の考え方など

治療の方針を立てるにあたって考えるべき要素はたくさんあります。

当院では、ご家族とじっくり話し合い、納得のいくオーダーメイドの治療をご提案します。

なんでもお気軽にご相談ください。

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