

症例集 case report
歯の治療
犬の不正咬合(歯列矯正)
お口のトラブルを抱えるわんちゃんは多く、特に成長期の子犬において乳歯が上手に生え変わらない子が多く見られます。犬は生後4ヶ月以降から乳歯が抜け始め、永久歯が生えてきます。ところが、特にトイプードルやミニチュアダックスフンドなどお口の小さいわんちゃんでは乳歯が抜けていないにも関わらず、永久歯が生えてきてしまうこともあります。(乳歯遺残と言います)その中でも特に多いのが、犬歯のトラブルです。乳犬歯が抜けないために永久犬歯が正しい場所に生えることができず、歯性不正咬合(歯の位置に異常があるもの)が起きてしまいます。不正咬合があると、歯の間が狭く将来的に歯石がつきやすくなってしまう、歯が顎に当たってしまうなどのトラブルが生じることがあります。当院で行っている歯科矯正は「即時傾斜移動」という外科的な方法です。去勢や避妊手術と同時に行うことができ、術後の矯正期間が必要ないため、簡単に行うことができます。
乳歯遺残
人と同じように、犬や猫にも乳歯から永久歯への生え変わりがあります。特に小型犬では乳歯が抜けずに残ることが多く、これを「乳歯遺残」と言います。乳歯遺残があるからと言って すぐに問題が起きることは少ないですが、「生えている歯の数が多く、密集している」ということが歯周病のきっかけになることがあります。また、生えている向きや場所によっては口腔内の粘膜を傷つけてしまったり、永久歯がきれいに生えなかったりといったトラブルにつながるケースがあります。