症例集
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症例集 case report

犬の不正咬合(歯列矯正)

症例の概要

6ヶ月のわんちゃんの口の写真。乳犬歯が抜けず、下顎の永久歯が奥の方に生えてしまいました

お口のトラブルを抱えるわんちゃんは多く、特に成長期の子犬において乳歯が上手に生え変わらない子が多く見られます。

犬は生後4ヶ月以降から乳歯が抜け始め、永久歯が生えてきます。ところが、特にトイプードルやミニチュアダックスフンドなどお口の小さいわんちゃんでは乳歯が抜けていないにも関わらず、永久歯が生えてきてしまうこともあります。(乳歯遺残と言います)

その中でも特に多いのが、犬歯のトラブルです。乳犬歯が抜けないために永久犬歯が正しい場所に生えることができず、歯性不正咬合(歯の位置に異常があるもの)が起きてしまいます。不正咬合があると、歯の間が狭く将来的に歯石がつきやすくなってしまう、歯が顎に当たってしまうなどのトラブルが生じることがあります。

当院で行っている歯科矯正は「即時傾斜移動」という外科的な方法です。去勢や避妊手術と同時に行うことができ、術後の矯正期間が必要ないため、簡単に行うことができます。

経過および検査

手術直後の写真

このわんちゃんは6ヶ月齢でした。避妊手術と同時に歯科矯正を行いました。

抜いた乳犬歯を永久犬歯の内側に楔のようにして埋め込み、永久犬歯を外側へと移動させました。

手術2週間後の写真:綺麗な歯並びになりました

獣医師のコメント

この歯科矯正は永久犬歯が生えてきているわずかな時期のみ実施可能です。わんちゃんの歯がしっかり抜け替わっているか、矯正が必要かなど、歯の抜け変わりの時期には定期的な診察を受けることがこのタイミングを見逃さないための唯一の方法です。

歯の生え変わりや嚙み合わせについて気になることがある時には、来院の上、お気軽にご相談ください。

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